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【CHA3号より:食の資格】 醤油使いの匠

2012年06月07日

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                              石川桃子 (2005年2月発行 CHA3号より)

2004年10月1日の「醤油の日」に「第2回醤油名匠」の発表・表彰式が行われました。
「醤油名匠」とは聞きなれませんが、これは日本醤油協会、全国醤油工業協同組合連合会が、醤油の持つ本来の価値を引き出し、創意工夫をこらして醤油を巧みに使いこなしている個人を「醤油名匠」として顕彰しようとするものです。
2003年の第1回は日本料理全般(料亭、割烹、和食一般)が対象でしたが、第2回は和食専門店(そば、うどん、天ぷら、寿司、焼き鳥、蒲焼、鍋物、井物、焼き物など特定ジャンルをメニュー構成の中心とする和食店)を対象に実施されました。
審査は、食のジャーナリスト5名により第一次審査が行われ、醤油メーカー、各県組合より推薦された45名の候補者の中から15名を選考し、さらにこの15名についてはビデオ審査をもとに道場六三郎、田崎真也、木村尚三郎の各氏にて、最終審査会を実施しました。
審査での評価ポイントは、次の3項目です。
1.醤油の持つ「五味」を生かした工夫及び創造性
2.醤油の特性(効果、効能)を活かした工夫、創造性
3.醤油の特性「色・味・香り」を活かす工夫
厳正な審査の結果「大賞」1名、「審査委員特別賞」3名が決定しました。
大賞に輝いたのは、「バードランド」(銀座)。焼き鳥の調理の種類や、肉の部分により巧みにタレを使い分けていました。串焼き用には鳥の産地と同じ濃□醤油を使い、醤油の香りを損なわないよう丁寧に弱火で合わせたもので、素材の魅力を引き出しつつ、タレとしての主張もしっかり出していました。特にレバーともも肉には、濃□醤油とバルサミコ酢をブレンドしたつけやき醤油を使用。このバルサミコ酢が味をまろやかにしており、さらにつけやき醤油にバルサミコ酢を加えるという斬新さが高い評価を得ました。
審査委員特別賞には、次の方々が選ばれました。
1.「吉塚うなぎ屋本店」(博多)・・・食べ合わせの悪いうなぎと梅干の常識を覆した蒲焼のタレ、「うなぎ悔しぐれ」
2.「筑紫亭」(大分)・・・・鱧のしゃぶしゃぶに一般的な梅肉ではなく、地元産の鱧の特徴を考えた「醤油ベースのポン酢」
3.「だるま寿司」(鹿児島)・・・ネタや客層によって醤油を使い分け、独自の工夫によって作った「寿司のタレ」
今回「醤油名匠」を受賞したのは、焼き鳥にしろ、鰻蒲焼にしろ、鍋ものにしろ、寿司にしろ、どれも経験こ裏打ちされた高い技術と能力が必要な職人の料理です。しかしそれだけに留まらず、いかにおいしく食べてもらうかを日々研究・努力し続けている勤勉さが、自然に「醤油名匠」の誕生に繋がったのではないでしょうか。
今後、第3回目に和食以外の料理店、第4回目に醤油使用の加工食品(煮物、惣菜、煎餅)の順に実施する予定です。醤油という奥深い素材から、これからどんな「醤油名匠」が誕生するか、非常に興味深いところです。

【「醤油名匠顕彰制度」の概要】 (しょうゆ情報センター資料から)

醤油という調味料は、その万能性から、使い方も極めて多様であり、個々人の使い方に目を見晴らせる独自の創意工夫がなされています。そしてその奥深さが私ども醤油製造に携わる者の予知をはるかに越えるものがあります。その意味では、醤油は製造者と使用者の切礎琢磨によって価値を高めてきた特別な調味料であり、現在においても、日夜不断の研鑽がなされており、そのことが日本の食文化を支えてきたといっても過言ではありません。
醤油業界は、この工夫・研鑽の努力に対し深甚の謝意を込めて“しょうゆ使いの匠”を「醤油名匠」として顕彰することによって、醤油の価値および可能性をさらに広げるとともに、食文化の伝承・発展に寄与していくことを目的として「醤油名匠顕彰制度」を制定しました。

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