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【CHA3号より】 巻頭

2012年04月23日

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                                大森正司(2005年2月発行CHA3号より)

ウジがわく、という言葉があります。その昔、食物が腐敗するということは、自然発生的にウジがわいて腐敗すると、長く信じられてきました。1862年、パスツールが通気性のある長首フラスコを用いて実験し、その結果から自然発生説が否定され、レーウェンフックによる顕微鏡の発明とともにミクロの世界、微生物の役割が明らかとなってきました。
現在の日本の食品工場においては、純粋分離された微生物が用いられ、管理の行き届いた工場で醤油や味噌などの食品が製造されるようになりました。ちょっと前までは、各農家の婆様方が自家用にどこの家でもチマチマと作っていました。
幼少の頃、農家の婆様の家にいた小生は、朝、ぐつぐつと煮たみそ汁の香りがどことなく漂ってくるのを感じて目を覚ましました。料理の基本としては、具材が軟らかくなったところで火を止め、味噌を適量加えてサッと仕上げるのが、みそ汁の本命的作り方とか・・・。しかし、わが家の婆様はナべに具材と味噌を最初から一緒に入れて煮込んでしまいました。ジャガイモなどは、軟らかくなるまで時間がかかるので、トロ火でじっくりと煮込むことになります。それがフワリフワリと流れて寝ている小生の鼻まで届き、目が覚めることになるのです。したがって、今は、たとえみそ汁の「作り方道」に反していようとも、このなつかしい作り方にこそこだわって自分でも時折作っては楽しんでいます。

ミャンマーにおける魚醤油ガチンngachin

 

この郷愁を誘う味噌、醤油の発酵食品、東南アジアを歩いてみると魚を原料とした醤油、いわゆる魚醤という醤油に類似のものがあることに気がつきます。日本にも、しょっつるなどと称する醤油もどきが存在しますが、「魚醤」と「醤油」を比べてみれば、日本でも東南アジア各国でも珍重され、今に伝わるのが特徴です。ベトナムの二ョクナム、タイのナンプラ、ミャンマーのナンピャーイェーなど、呼称は異なりますが、モノはみな同じです。
電力事情のあまり好ましくない東南アジアの途上国では、食料を保有する術としての電気冷蔵庫は高嶺の花。竹の筒やバナナの葉でしっかりと包んで放置すると1週間から1ヵ月、場合によっては半年にわたって保存可能となり、安定的に食の供給が可能となります。この技術の中心は、発酵、それも塩を使わない無塩嫌気発酵が中心となります。
さらにこれらの発酵は、すべて自然発酵であり、数十種の微生物のハーモニーとして、その発酵食品は形成されます。したがって、名もない微生物達は、一生懸命力を合わせて、その食品を作り上げ、出来上がった食品は、調べてみれば、癌を予防する、高血圧を抑制する、アレルギーを予防する・・・等とまさに成人病、生活習慣病の予防食品として意義深いものとなります。医食同源です。

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