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【CHA3号より】 魚醤から醤油・味噌(東南アジアの嫌気発酵食品)

2012年04月16日

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                                 大森正司 (2005年2月発行 CHA3号より)

東南アジアを歩いてみると、食卓ごとに独特のフレーバーがあることに気がつきます。
このフレーバーを良しとするか、悪しとするかは人さまざまですが、良しとする人にとって、東南アジアは、かくも素晴らしき食の楽園、と旅する毎日が真に天国となります。
しかし、悪しとする人にとっては、観光ツアーならいざ知らず、ビジネスで滞在ということにでもなろうものなら、難行苦行の毎日となります。それは、食のつまの香菜と調味料の魚醤によるところが大きいからです。熱帯の東南アジアでは、香菜がよく用いられます。これにスパイスと魚醤を使えば、味、香りのピンポイントが加味され、食欲増進素材として大いに歓迎されることになります。

特有の匂いと旨味
東南アジアは亜熱帯や熱帯地方に位置するため、気温は高く、食欲もついついままならない日々が続きます。しかし、これら香菜、スパイス、魚醤で調味すると不思議とおいしく食べられてしまいます。東南アジア各国共通に存在する魚醤は、原料はその名の通り魚ですが、高級なものは、ナマズであったリ、エビであったりします。つくり方はいずれも共通ですが、原料が「魚」ということで、どうしても異臭(悪臭?)を伴うことになります。
小生も魚醤の製造を試みたことがあります。原料の魚に対して食塩を20%も加えるので、腐敗することはありませんが、一週間、10日と日数を経過しますと、決して芳香とはいえない、むしろ、周囲から苦情がでるほどの芳香となります。しかし、思い切ってなめてみますと、これがまた非常にうまいもので、調べてみますとこの液のなかには、いろんなアミノ酸類がたっぷりと含まれています。魚自身の持っているタンパク質分解酵素、また、自然界から混入した好塩微生物のタンパク質分解酵素等が相互反応を繰り返し、あの素晴らしい呈味になったものと考えられます。これを袋に入れて搾れば溶液と残渣になりますが、それぞれに美味な調味料として用いることが可能であり、一方は、魚醤に、他方はやがては味噌へと変化した調味料と考えられます。

発酵でアレルゲン消える
電力事情のよくない東南アジアでは、竹の筒やバナナの葉は食料を保存する目的で、よく用いられます。魚に限らず、肉、米、野菜、たけのこ、茶、大豆等、あらゆるものがこのような保存形態、つまり、嫌気発酵食品として利用されています。

竹筒に入った野菜の発酵食品

 

そして、これらを調べてみると、無数の乳酸菌をはじめ、さまざまな微生物が生息しており、できあがった発酵食品からは、アレルギーを発現するタンパク(アレルゲン)が消失していることもわかりました。花粉症、アトピーなどに悩まされている多くの日本人。比べてみれば東南アジアの食。意外な秘密が隠されているような。そんな気がしてなりません。

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