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【CHA2号より:データファイルなぜ?】 輸入依存型食生活の落とし穴

2012年04月16日

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                               藤浪成昭(2004年10月発行CHA2号より)

                             (図表はいずれも農林水産省「食料需給表」から)

バブル崩壊後景気低迷が続きましたが、食生活は一向に低迷することなく、「飽食」といわれるほどの豊かさを謳歌してきました。でも、その豊かさを支えているのが輸入食料であることにはあまリ関心が払われていないような気がします。
「安けりゃいいじゃないか」というのが昨今の風潮で、アメリカのBSE(牛海綿状脳症)感染牛発生にともなう牛丼騒動などは端的な現れではないでしょうか。

自給率はわずか40%
日本人の食生活で国産食料がまかなっている割合は40% (カロリーベース)に過ぎません。国民1人1日当たりの供給熱量2,599kcal(摂取熱量は1,899kcal)のうち1,551kcalは輸入食料に依存しており、国産食料は1,048kcalしか供給できていないということになります。
振り返ってみると、1960年(昭和35年)の自給率は79%もありました。それが10年後の70年(同45年)には60%に急減します。この背景には59年(同34年)のトウモロコシ輸入自由化後輸入飼料の関税を無税としたことや61年(同36年)に農業基本法が制定されたことなどがあると思われます。
65年の飼料自給率はまだ55%ありました。それが70年には38%に減少しました。わずか5年間で17ポイントも低下したのは異常です。放牧しながら牧草で育てるのではなく、畜舎内で、穀物飼料を与えて飼養する経営方式がこの現象を生み出してきたのでしょう。2002年(平成14年)の飼料自給率はわずか24%に過ぎません。その中でBSE事件も起きています。豚肉を例にとっても、肉の国内生産量は53%ですが、そのうち自給飼料による生産分はわずか5%しかないのです。
主食用穀物の自給率は1960年に89%に達していましたが、2002年には61%に低下しました。主食用のコメは100%ですが、小麦は13%、豆腐納豆、味噌、醤油など日本食の基礎となっている大豆はわずか5%しか自給していません。61%の自給率もコメだけが支えというのが実情です。

穀物自給率は世界で130番目
主食用、飼料用を合わせた穀物全体の自給率はたった28%という状態です。これを世界各国と比較してみると、173カ国・地域中130番目、OECD (経済協力開発機構)加盟30力国中アイスランド(自給率0%)、オランダ(同24%)に次いで28番目という低水準(2001年)となっています。先進12カ国の中でもオランダに次いで11番目ですが、総合自給率(カロリーべ-ス)ではオランダ(67%)にも遠く及ばず、断トツの最下位となっています。
それを補うために輸入に頼っている日本は世界一の食料輸入国となっていますが、供給熱量と摂取熱量の差は拡大しています。タンパク質や脂質の摂取量が増えていること、食べ残しや廃棄など食品ロスの増加などが要因と考えられます。
世界には8億人もの栄養不足人口がいるといわれています。本来、もっと自給力がありながら、世界の市場から食料を買い集めて「飽食」を謳歌するわたしたちの食のあり様が問われているのではないでしょうか。

減少続ける米消費
国民1人当たりの年間コメ供給量は1960年には114.9kgでした。それが70年には70kgとなり、2002年には62.7kgに減少、依然として漸減傾向が続いています。
60年には1人1日当たリ315g、茶碗にして約5杯分だったのが、2002年には172g、約3杯分に減少したことになります。
この間に肉類供給量は5.5倍、牛乳・乳製品は4.2倍、油脂類は3.5倍に増えました。

    

米は高くない
総務省の「家計調査」によると、2002年の2人以上世帯の月平均支出額は305,953円となっています。このうち食料費は71,210円で、23.3%を占めています。エンゲル係数はここまで下がりました。
コメへの支出額は3,102円で、食料費のなかで4.3%、消費支出全体ではわずか1%に過ぎません。3,102円で5kgのコメを買うことができると仮定すると、1日の1世帯当たリ消費量は茶碗3杯分程度で、支出額は100円に過ぎません。
ひと頃、日本の米価は高すぎるとの声があがりましたが、1家族、1日100円のコメ代が高いという人はいないでしょう。生活実態に即していえば、コメはむしろ安いといっても過言ではないでしょう。その安いコメを家族全体で1日3杯しか食べない私たちの食生活こそ改善の必要があるのではないでしょうか。

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