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【CHA創刊号より】 なぜ文化誌なのか

2012年03月19日

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                                 本多賀文 (2004年5月発行CHA創刊号より)

なぜ
昨今の、食文化は飽食の時代とか、グルメブームとか言われる半面、日常食べているものが、なぜ、何時、どのようにして開発され、食べるようになったか疑問を持たずに食べ過ごしてきてしまった感があります。
欧米では数年前から、食の歴史を取り上げた書籍が多く出版され、英国の2大大学である、オックスフォード、ケンブリッジ両大学の出版部は食物史の大辞典まで出版しております。
18世紀のフランスのモラリスト、プリアン・サヴァランは「君がどんなものを食べているか、言ってみたまえ、そうすれば、君がどんな人間かを言い当てて見せよう」と言い、食物は民族の文化、歴史、ものの考え方を知る1つのバロメーターであると述べております。こうした、単純な疑問が文化の扉を開く近道なのではないでしょうか。

世界に認知された日本料理
戦後、日本の食生活は欧米の影響を強くうけ、なんとか風料理とかいうものが横行して、食生活の向上なしには文化水準も上がらないと誤解されてきた面も多々あります。食生活の基盤にはおのずから差異があり、お茶にしても日本ではもてなしのため、健康維持のためとして飲まれておりますが、欧米では社交には欠かせぬ飲料として飲まれております。
昨年あたりから、米国ニューヨークでは日本料理が健康上の理由と、美的感覚の面から高く評価され、通常50ドルの夕食相場が80ドルに吊り上げられ、前菜からメイン、そして、和菓子のデザートまでが評価されました。このことは基盤の異なる社会でも新しい食文化として受け入れられ、これまで日本食を軽視してきた日本の若者に対する警鐘にもなるのです。

過去から現在を見る
紀元前に中国を源とするお茶が、17世紀には海の回廊を通って欧州にもたらされ、紅茶文化を開花し、最近では緑茶までを愛飲するようになりました。そこには、歴史への回帰が窺えます。
東南アジアが原産の香辛料は14世紀に中東を経由して、16世紀には欧州に入り、現在のフランス料理、イタリア料理の基盤を基づいたのです。
この香辛料を求め、コロンブス、マジェランなどが大航海をするきっかけにもなったこと、チーズは遊牧民がたまたま皮袋に牛乳を入れて持ち歩き偶然に出来た産物と歴史書は書いておりますが、これは遊牧民の生活の知恵でできた製品なのです。それが、現在では欧州の食卓には欠かせない食品になっているのです。

食の掟には宗教もからむ
アフガン戦争、イラク戦争においてイスラム教は特異な宗教といわれておりますが、食の原点の多くは中東で発祥しました。ワイン、ビール、コーヒー、小麦粉、砂糖、チーズ等です。イスラム教では酒はご法度といわれておりますが、この本当の理由は、酔っ払っては経典をまともに読むことも出来ず、さらに、暑い地域で飲酒は健康を害するとして、自重をすすめているからなのです。したがって、天国では思う存分飲んでもよいと説いているのです。
イスラム教では羊、山羊、牛などの屠殺方法まで規定しており、豚は残飯など不衛生な食物を餌とする動物であることから、豚肉をたべることも禁止しています。そうすることによって、最近問題になっております、ハクビシンなどによるウイルス被害もなくなり、また豚肉については、これぞ、食生活の異なった基盤を立証するものではないでしょうか。

歴史を変えた食物について
食の専門家でもない一研究者ですが、食の原点から歴史に大きな影響を与えた食物について連載していくつもりです。なにか、助言などいただければ幸甚です。

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